技能実習生の監理団体として実際に働いた体験を語ります。【監理団体を選ぶポイントはココ】

今日は技能実習の監理団体で働いた経験を元に、技能実習監理団体と、送り出し機関を選ぶポイントをお話ししていきます。

技能実習生とその受入企業を監理する団体を通称「監理団体」とか「組合」と呼んでいます。

最近だと技能実習の問題も多く発覚していますので、聞いたことがある人は多いと思います。

ちなみに僕の外国人相手の仕事の経験を少し説明すると

・日本語学校から依頼を受け留学生寮の運営。

1000人を超える留学生の受け入れと、その在留中の生活支援の経験があります

・日本留学エージェント業務

各国の日本語センターを周り、留学セミナーをしたり留学希望者との面接で外国人と話すことが多い

一回の出張で200名くらい面接していました。セミナーの人数なども含めると通算3000人くらいは軽く超えそうです。

上記の数字は実績ですので、ある程度信用できるかと思います

経験したことと、僕なりの考えを踏まえて話します

それではいきます

もくじ

1　経験した内容

在留外国人という枠で考えて、僕が経験してきた内容を挙げていきます

留学生と実習生など違いはありますが、参考にはなると思います。

これらの問題は一例ですが、実際に起こった出来事です

2　解決方法

1のポイントは「まずは技能実習機構に情報を！」

2019年、長野県千曲川の氾濫で大規模な水害が発生しました

その地域にて実習を行っていた企業にも被害が出て、連絡がつかない状況になりました

実習先場所からほど近いエリアに住んでいた実習生とも連絡が取れません

来日して1年、日本語もたどたどしい実習生が避難情報を確認できているかどうか不安でたまりませんでした

事前に避難方法や、対応を伝えていたことが幸いして

無事に避難できていたようです。本当に良かった

実習先が災害に遭ったときの対応方法は以下の3つです

実習機構へ連絡を入れることを知り情報提供しました。

今は技能実習機構が一旦を担っていますので、そこに情報集めましょう。

正しい被害状況が必要です

また被災地では電気が機能していない場合がほとんどですので

携帯の充電は命取りだという教訓がありました（日本は災害の国なので、教訓から学べます）

一通連絡を入れておくだけにしました。

その代わり、SNSでの被災情報を発信をしたところ

なんと自衛隊から連絡をもらい、自衛隊が救出をしてくれました。

速やかに被災地に向かっていただき、現場の状況を写真で送ってくれました

またそこに実習生がいたということで救出していただきました

幸い怪我もなく良かったですが

SNSの拡散力に本当に感謝です。

2のポイントは「会社の指導方法をもう一度チェック」しようということです

実習生は、思っている以上にセンシティブな精神状態にあります

そしてアジア全般の若者に言えることですが、精神年齢が低いです

ちょっとしたことで腹を立て、感情的になります

そしてちょっとしたことで病んでしまうんです

特に建設関係に言えることですが、性格が豪勢なかたも多いので

ベトナム人からすると少し怖いという印象を与えるようです

そういう人が、少し声を大きく話すとパニックになってしまいます

指導をする場合、感情を入れてしまうと早口になりがちなので

「何言っているかわからないけど、怒っている」くらいにしか思っていません

例えば指導員の日本人が少し不機嫌な表情や声色で

「おまえなぁ、そんなことばっかり続けてたら帰国しないといけないよ？ちゃんと失敗したことから学んで、次失敗しないように気をつけてよ」

こういう言い方は、完全にアウトです

こんなことを言うと”帰国”と言うキーワードに敏感に反応してしまい

他の言葉は耳に入ってこなくなります

しかも仕事中のミスで怒られたときに言われているので

帰国させられると勝手に思い込み、失踪してしまうパターンです

指導方法には、今以上に気をつけないと悪質な企業だと言われてしまいます

気をつけましょう

3のポイント「失踪の前兆はどこかにでる」

日本国内での失踪は悪を産む根源です

失踪した留学生や実習生を、企業が悪質な労働環境で働かせる

それら実習生は日本のことを嫌いになり「奴隷のように働かされた」と言う主張になります

しかしもちろん失踪をするのにも原因はあります

主に失踪の前兆として捉えていいもの

・料金未納で止まる携帯

・出席率が下がる

・アルバイト欠勤が増える

これらのうちどれか一つでも当てはまった場合、失踪をする可能性があると思っていいと思います

カルロスゴーンさんのように、急にいなくなると言うことがおこる業界ですので

少し過敏に捉えましょう

もし失踪しそうな場合なら、ゆっくり話す場を設けて

失踪した場合の生活についてイメージさせることもいいでしょう

日の当たる場所にでず、ずっと日陰暮らし

逃げ惑う日々

そんな生活をさせてはいけません

帰国するように説得することをオススメします

帰国に同意したら、飛行機まで引率してくれる空港のサービスがありますので

それを使うと、空港での失踪を未然に防ぐことができます

飛行機に搭乗したのを確認して、帰国手続きは終わりです

3　管理団体を選ぶポイント

管理団体を選ぶポイントは以下の3点です

1　スカイプ面接で済ませてしまうようなところは良くない

2　過度な接待を受けるところ

3　よくオーナーが変わっているところ

1　スカイプ面接で済ませてしまうようなところはやめたほうがいいと思います

スカイプ面接で済ませてしまうようなところから受け入れることはオススメしません

なぜかというと雇用をする際に、実際に見てみないとどんな人かわからないですし

日本語力とか、本気度とか伝わってくるものが違います

これから長く会社で働いてもらう人材です

しっかり現地を感じた上で雇用を決めましょう

スカイプで面接したうちからなんとなく選んでしまうとか

監理団体、送り出し機関のプッシュがあったからという理由で採用を決めてしまうと

あとで問題に発展することが多いです

会社で雇用する以上、責任はあなたにあります

監理団体や、送り出しは最終的に責任を持ってくれません

やはり、現地にいき直接面接をしたほうがいいです。

2　過度な接待を受けるところ

過度な接待をしてくる送り出し機関、監理団体はオススメしません。

なぜかというと接待をするにはもちろん費用がかかります

その接待費用がどこから捻出されているかというと多くの場合、その費用を負担するのは実習生です

送り出し機関は実習生の学費を高く設定し、接待費用に当てている現状があります

そうすると、実習生をマッチングさせるために使われた費用を実習生が負担することになりますので

そのお金を監理団体、企業が受け取っていることと同じになります

監理団体と送り出しがグルの場合もあります

そういうところからくる実習生は借金を多額に背負っている場合が多く

2年間借金の返済に当てるだけの生活をするような場合も少なくありません

当然借金を苦に失踪をする場合もあります

そういう実習生は日本語の勉強はおろか実習も満足にできていない場合もありますので

企業としても頭が痛い存在となってしまいます

3　よくオーナーが変わっている

経営状態が悪く、売却し買収した企業が技能実習の経験がないような場合、お金儲けのための組合になっている可能性があります

監理団体ができた当初は立派な理念を持っている団体だとしても

経営者が変われば全て変わります

お金儲けしか考えていないようなところは

当然監理もずさんなところが多いのですぐわかります

登記簿を見れば、情報は確認できますので

お付き合いの前にチェックすることをオススメします

4　まとめ

今日は在留外国人を管理する上で、起こる問題についての解決策を中心にお話ししました。

それぞれポイントをよく覚えておくといいと思います

外国人を管理するのは大変ですが

技術を覚え「また帰ってきたい」と笑顔で帰っていく外国人を見ると

やってきたことは間違ってなかったなと感じられます

日本を好きになってもらうことが目的で監理をするというくらいの気持ちでやっていきましょう

終わります