日本とベトナムは、中国を介して関係を持ったというのが起源のようで、8世紀頃の話と言われています。13世紀になり、第5代フビライハン時代の元の蒙古がベトナムへの進出を始めました。3度に渡り攻撃をしましたが、ベトナムは激しく抵抗、3度とも食い止めています。日本でも有名な、元寇(鎌倉時代・蒙古襲来)がおきていた時代です。日本は2度食い止めていますね。
日本と同じような境遇を持っている国なんです。
15世紀になると、中国に支配される事になります。この時期にベトナム中部の世界遺産、ホイアンに御朱印船に乗った日本人がきて、日本人の街を作ったのが始まりだと言われています。
ホイアンは街全体が世界遺産となっており、現在多くの外国人観光客で賑わっています。ダナンという中部都市から、バイクで2時間くらいだったと思います。ランタンが町中に飾ってあり、革製品が有名な地域です。品質も確かなので、お土産に買っていくと喜ばれます。
昔から、日本と密接な関係があるベトナムですが、まさに今高度経済成長の真っ只中です。まさに日本の1980年代のバブル経済成長と同じような推移で伸びていて、ビジネスとして魅力たっぷりのベトナムについてお話しします。
目次
ポストBRICKSの一番手はベトナム
ベトナム最大のODA国、日本
WHO加盟国なので、進出しやすい
ポストBRICsの一番手という注目国
BRICsとは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を合わせた造語です。人的資源や、天然資源が豊富で、工場をBRICsに作るなど、日本との関わりも深いこれらの国ですが、2008年のリーマンショックで世界中が激動に見舞われた中、新たな進出先として、ASEANの中では、ベトナムが再注目されています。(インドネシアも注目されているみたいですが、ここではベトナムに注目します)
なぜベトナムが注目されるのか、その理由を上げていきたいと思います。
- 人口およそ1億人。2040年には日本人の人口を追い抜く見通しとなっています。特筆すべきは、その若さです。総人口の25%が15歳未満と言われています。
- ベトナム政府が、外国企業の資本受け入れに積極的です。2009年と2010年には内需拡大のために、大規模景気刺激策を実施したり、投資、減税などの政策を金融緩和と共に行いました。
- 中国の隣国であり、地の利がある。石油石炭、鉄鉱石、すず 亜鉛 タングステン、レアアース、レアメタルなどの地下資源が豊富
- 世界第2位の米屋コーヒー、カシューナッツ の農産物と海産物(世界120カ国とに輸出している)
見て分かるように、ベトナムが選ばれる理由ってたくさんあって、知らないだけなんですよね。上に書いたことは主に経済関係での魅力を書いていますが、国民の平均年齢が32歳という若さだから驚きです。
街に出ても、ほとんどが若者です。40〜50代くらいの人は、タクシーで街を走っているか、お店の前で、バイクを並べる警備員のような仕事をしているひとが多いのが印象的です。自宅を改装して作った飲食店(フォーとか)で働いているのは女性が多いです。サラリーマンももちろんいますが、個人事業の小売店が道路の両サイドに並んでいて、そこで働いている人が多いイメージです。市場とかも女性が多いです。
人的資源が豊富で、そのほとんどが若者という国、ベトナム。注目の理由はいっぱいです。
2 ODAはベトナム1。戦略的パートナーシップ
ODAとは
ODAというのは、国家間で行う開発支援協力です。正式には「Official Development Assistance(政府開発援助)」と言います。簡単にいうと、「国が発展できるように、協力支援しますよ〜」ということです。
日本とベトナムは1992年にODAを再開して、総額で一兆円を超える支援を続けています。目的は様々で、ベトナムの検査・農産食品品質コンサルティング(RETAQ)センター(建設中)において,検査体制構築に必要な機材及びこれら機材を有効に活用するための設備を整備する「農業・水産食品の安全確保のための検査・農産食品品質コンサルティングセンター能力強化計画」や、ベトナムの指導者となることが期待される若手行政官等63名が本邦大学院において学位(修士・博士)を取得することを支援する「人材育成奨学計画」などがあります。
他にも、ノイバイ空港の建設、高速道路、国道、橋、港湾、教育施設など、日本がサポートして作られたものは数多くあり、日本に感謝してくれてるベトナム人は多いんですよね。嬉しい限りです。先人がベトナムに対してしてきたことは、間違っていなかったんじゃないでしょうか。
ODAの案件に絡めてベトナムへ進出するという話をしている企業もあり、日本からの支援はそれほど多いものなんです。ただ、ODAを頼りにやっているためか、民間での日本企業の存在感はあまりありません。日本人の会社に家を作ってくださいという人はいないんですね。もっと大きな工事などを日本が仕事を取りに行きますが、もう少し、ベトナムの民間に近づいてもいいんじゃないでしょうか。
日本語学校などは、民間に寄り添ったものですね。幼稚園もあります。日本の飲食店などもよく見かけるようになりましたが、現状で一番大きい存在感があるものはイオンですかね。街中を少し離れた場所にあるので、かなり目立ちます。
3 2020年工業国入りが目標
ベトナムはWHOに2007年に加盟することができました。さらに、米国との関係復帰をして中国だけに依存しない強い経済を目指し、2006年に「ドイモイ政策」を内外に示しました。
WHOってなに?
世界保健機関(せかいほけんきかん)といって、「身体的、精神的、社会的に完全な良好な状態」を国際的に目指していこうと作られた国際連合機関です。要するに「経済だけを伸ばすのではなく、国民の健康なども考え効率よく成長していこう」っていう国の集まりです。
加盟できたことで、国際的な立ち位置を確かにしました。そして2020年の工業化に向けてどんどん経済政策を打っていきます。実際に、中国にあった工場がベトナムへ移転してきているようですので、工業国としての地位を手に入れるのもそう遠くない将来に達成されるのではないでしょうか?雇用も促進されますしね。
ドイモイ政策って何?
主に経済(価格の自由化、国際分業型産業構造、生産性の向上)、社会思想面において新方向への転換を目指すもの。これまでのベトナムから新しいベトナムに生まれ変わろう!ということで始まった政策です。結果として方向転換して、豊かになっています。
共産国として、有名なベトナムですが、ドイモイ政策が始まりより経済色が強くなっています。大きな企業だと、政府の介入はあるようです。ホーチミンは顕著に表れていて、日本の大都市と大きな違いはありません。強いていうなら環境面がまだ追いついていないようです。
ホーチミンには、日本の大手企業も多く参入しています。日本の銀行もありますし、現地で色々サポートを受けることができます。日本人のコミュニティもあるため、協力体制も早く作れるのでオススメです。情報収集は大事ですからね。
共産国的な考え方を変え、経済重視、工業国入りを目指す改革重視を明確にしましたが、課題は山積みです。
農業、農村の近代化と工業化、先端技術・IT産業の奨励、石油精製・石油化学分野への投資の誘致も課題として取り上げられているようです。ただ2010年時点でインフラ整備ですら着手できておらず、現状少し改善もされてきましたが、まだまだ、農村部にまで行き届いていません。
そういった、地方、農村部の発展がベトナムには欠かせないものなので、日本企業はそこの発展に約立つようなものであれば、大いにチャンスがあります。
まとめ
ベトナムに興味がなかった知人が、ベトナムに一緒に行って、それからベトナムへ進出する計画を立て始めました。魅力的な国です。色々話してきましたが、他にもベトナムの魅力はたくさんあります。安ければ、往復3万弱でいけるときもありますので、進出を考えているなら、一度ベトナムを案内します。