外国人の受入業務について、前回は外国人材の募集についてお話ししました。外国人が日本に来るまでにどのような経緯があるのか画像を見ながらなんとなくイメージできたのではないかと思います。
アジアでの日本での就労希望の勢いは増していて、どこの送り出し機関、教育センターも日本での就労希望者の募集と、日本で外国人就労者を受け入れてくれる企業探しに躍起になっています。
去年までは日本語学校へ行きたいという声が多かったのですが、日本政府が留学生30万人計画を達成し、ビザ交付を締め出しにかかりましたので、日本語学校への留学のメリットが感じられなくなっているのでしょう。ビザが交付されないなら、日本に行きたくてもいけませんからね。
外国でも日本で働くための方法の認識が変わり「日本語学校へ留学してアルバイトで稼ぐ」という発想から「単純労働でもいいので日本で働く」という考えに変わっています。
日本に来る目的が「出稼ぎ」でも一向に構わない(現実に外国人の手を借りないと人手が不足していますので)ですが、日本語習得の意欲だけは無くさないでほしいと思っています。
今日は外国人が来日するタイミングでの受入業務について説明していきたいと思います。
目次
- 申請〜入国まで
- 入国サポート
- まとめ
1 申請〜入国まで
現地での人材募集が終わり、日本に行きたいという申請が集まったら、ビザの申請を開始します。ビザの申請をするために必要な書類があり、現地センターと申請者、受け入れ側の企業(語学学校)と協力して書類を完成させます。
そのため現地での人材募集業務が完了してから、入国まではタイムラグがありますので、この間に受入企業、学校がやる業務に関しては箇条書きにしておきます。
申請〜入国までにやること
- 学生寮、実習生寮の賃貸借契約
- 寮に設置する家具、家電の購入
- ガス、電気などのライフライン開通
- WIFI設置
- 入学式、来日後のパーティなどの準備
- 新人教育のマニュアル作成
- 日本語教育の手配
- 航空券の手配
上記に挙げたように複数やらなければいけないことがありますが、申請から入国まで3ヶ月〜6ヶ月の期間がありますので、急がなくていいものもありますが、早く終わらせておくことに越したことはありませんよね。備えあれば憂いなし。
申請業務に関しては、技能実習生と、留学生ではやることが違いますが留学生の場合だと4月に入学して来る場合、申請の期限は11月中旬に設定されていることが多いので、この時期は申請書作成で忙しい時期です。
留学生の場合だと
8月〜9月人材募集→(人材募集業務)
11月中旬申請期限→(送り出し機関との仕事)
2月中旬にビザ交付日→
4月入学(入国サポート業務)
上記のように業務が進んでいきます。気をつけて欲しいことは、11月に申請をしていた場合でも、ビザが交付されないこともあることです。
そうなるとせっかく募集した人材も日本に行くことができません。つまり学生寮、実習生寮の賃貸借契約を済ませている場合、無駄になる可能性がありますので、賃貸借契約を済ませるのは、ビザ交付日の結果がわかるまで待ちましょう。
タイミングが難しいですが、借り損にならないようにしなければいけません。
「全国日本語学校連合会」(東京)が、入学希望者が最も多い4月の在留資格の申請数と交付数を集計したもので、全国708校のうち327校が回答した。国別の交付率は、中国や韓国が90%台で推移しているが、ミャンマーは前年の76%から15%、バングラデシュは61%から21%、スリランカは50%から21%に下がった。団体によると、交付率の下降が顕著になったのは昨年10月から。就労目当ての留学生が集中しているとみられる関東甲信越では、ネパール、バングラデシュ、スリランカは1%台以下だった。出入国在留管理庁の担当者は「偽造書類を提出する申請者の増加に対応した結果。不法残留や不法就労の留学生が多い国からの申請は、より厳しく審査している」と説明する。
日本経済新聞引用 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48815280R20C19A8CR8000/
上記は日本経済新聞からの引用ですが、2018年10月の申請時より急激にビザの交付率が下がりました。これによって業界は大打撃です。
入国管理庁は散々な言われようでしたが、不法残留や不法就労が多い国の交付をやめるというのは正しい策だったのではないかと今では思っています。
2 入国サポート
ここからは留学生、実習生が入国してからの業務について書いていきます。ここから画像付きです。
・入国時間の確認
送り出し機関や、教育センターが現地の空港で出国のサポートをしています。実習生や留学生が空港のゲートを通る前に写真を撮って送ってもらいましょう。
航空券を買った場合「E ticket イーチケット」と呼ばれるデータ航空券が発行されると思いますので、その情報の共有をしておきましょう。
なぜかというとごく稀に自分のフライトの情報を間違って送って来る場合があります。「羽田空港到着と聞いていたが、成田空港に到着していた」なんてこともありましたので、事前の情報共有をしておくことがベターです。
・到着
実習生、留学生が到着しました。迎えに行くときの注意点ですが飛行機の到着時間と同時に入国ゲートで待つと、長く待つことになります。
荷物を受け取った後に在留カードの発行、入国手続きに時間がかかりますので、飛行機到着時間の30分後くらいを目安で空港に到着するようにした方がいいです。一番長い時は2時間以上待った時があります。
その間の業務はストップしてしまいますので、飛行機の到着のタイミングと迎えに行くタイミングは見計らってから行きましょう。
「そろそろ時間かな?」というタイミングで、準備しておいたネームボードを持って到着口前で待ちます。事前にこちらの顔写真と当日の服装を伝えているので、向こうも探しやすいと思います。
・合流
合流してからは、パスポートと在留カードの所持を確認し、在留カードの情報に間違いがないか確認をします。ここで確認していない場合、あとで間違いが発覚するとまた戻ってこないといけなくなりますので、必ずチェックするようにしましょう。
みんな長い飛行機の旅で疲れていますが、憧れてた日本での生活の始まりです。
送迎をする人は自分が「日本にきて初めて会う日本人」となります。彼らにとって頼れる存在ですので、日本に来たばかりだと言うことを意識して対応してあげましょう
・宿泊施設までの送迎
合流したら宿泊施設までの送迎を行います。
宿泊施設に到着しました。室内にある設備、家具家電の使い方など説明をします。入国当日は疲れていますので、最低限のルールとWIFIの設定方法などを伝えてゆっくりしてもらいます。
初めて日本に来ますので、知らないことばかりです。もちろんベトナムと日本では生活の文化も違いますので、まずは慣れてもらうことに集中する方がいいのかなと思ってます。
いきなり全部説明しても理解できませんからね。
3 まとめ
入国サポートの業務内容について説明しました。
これから日本で彼らの活躍を見守って行くわけですが、送迎をしたからといって終わりではありません。
日本でどのように生活をしなければいけないのか、オリエンテーションがあります。
また次回オリエンテーションについて書いて行こうと思います。
今回はここで終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。